■Infomation
会社の事業全部又は一部を他の会社に譲渡することをいう。 ここでいう「事業」とは、一定の目的のため組織化された財産のことで、会社の資産、従業員、営業権、ノウハウ等の経済的価値等が含まれる。 IPマルチキャストでの県域を越えた放送の再送信については、キー局に配慮して「何もしない」というに等しい結論となった。本来、地方局が全国に向けて情報発信できる良い機会ととらえるべきではなかったか 「確かに、最後まで表現が揺れた部分だ。投資信託が経過するにつれ、放送業界の利害にどう配慮するかという話が強くなってきた。当初の案と比べ、わかりにくい文章となってしまっているのは確かだ」 「言論の多様性を確保すべきという観点からこのように落ち着いた。地方局からの情報発信はどんどんやるべきだが、行政が強制するものではないだろう」 NHKはなぜチャンネル数を削減する必要があるのか 「いまの放送法は1950年にできており、時代にそぐわない部分が出てきている。多チャンネル時代の公共放送とは何かを議論するなか、チャンネル数を減らしても公共放送の役割を果たせるだろうということになった。受信料制度ではマーケットによる評価が(チャンネル数などの経営規模に)反映されにくい」 「『公共放送とは何か』については、この短期間で十分議論することは無理だった。ただ、公共放送として適切なチャンネルの増え方だっただろうかという議論はできた。3チャンネルある衛星放送は難視聴地域対策など当初の目的を超えて、いまは映画やスポーツも放映している。当初の役割が変わったのであれば、見直すべきだろう。NHKの収入はバブルが崩壊しても単調に増加してきた。義務化を明示した受信料については、現状維持から罰則規定まで資産運用が分かれたが義務化に落ち着いた」 議論が非公開で閉鎖的だとの批判があった 「懇談会では自由闊達な議論があった。すべてを公開しなかったからこそ、つかみ合いに近い議論ができた。竹中大臣は最後まで一言も発言せず、自由な議論を促した。ある程度合意できたことについては丁寧に議長がオープンにしてきた。なかなかうまい仕組みだったと思う」 「本来はオープンの方がよいのかもしれないが、外国為替証拠金取引でまとめるにはいい形だったのではないか。議論形態について委員の中から異論は出なかった」 ちょうど10年前、郵政省の「21世紀に向けた通信・放送の融合に関する懇談会」にも、専門委員の一人として参加した。当時はまだマルチメディアやビデオ・オン・デマンド(VOD)についての議論が盛んで、出始めたばかりのインターネットの今後の成長については半信半疑、という状況であった。この委員会の報告書では、NTTは「電話屋からマルチメディア屋への転換」の必要性を、ハード・ソフト一体論を主張する放送産業については、「公然性を持つ通信」と「限定性を持つ放送」という新しい概念を掲げ、相互参入分野における公正有効競争、ネットワーク機能のアンバンドル化の必要性を盛り込んだ。 インターネットの爆発的成長が始まったのはその直後だった。ブロードバンド化が猛烈な勢いで進み、地上波のデジタル化も着実に進展し始めた。デジタル化・IP化の波は情報通信の全分野を覆い、IPマルチキャストやネット上のVODが普及。トリプルプレーや固定・モバイルの融合サービス(FMC)が姿を見せ始め、携帯電話での地上波テレビ放送視聴も始まった。技術革新の流れの中では、96年の「融合懇」が夢見た通信と放送の融合はすでに現実のものとなっている。 このような流れのなかで、通信の分野では、1985年の電電公社の民営化以降、約20年間にわたって様々な競争政策上の革新と活発な新規参入が行われてきた。速くて安い、日本の「世界最先端のブロードバンド環境」は、その具体的な成果である。これが通信・放送融合の有力な基盤となっているのだ。 一方、放送分野の革新はもっぱら多チャンネル化(ケーブルテレビ、CS、BS・・・)という形で進んできたが、NHKと5つの民放キー局という地上波の体制は、ほとんど無風状態で続いてきた。制度面では、もともと通信と放送を区分しない米国、「視聴覚メディアサービス指令」という形で通信・放送融合領域を一体的に規制しようとするEU、2007年に向けて融合サービス法制の確立をめざしている韓国と、世界が融合法制に向かっているなかで、日本では通信と放送は整然と区分され、実に9つの法律で規律する体制になっている。融合時代に重要になる著作権法制は、さらに別の体系で動いている。 公式・非公式の活発な発言取り込む 今回の「通信と放送の在り方に関する懇談会」は、融合に向かう技術と産業と制度の間に折り合いをつけようとする取り組みであった。私自身は、ユビキタスネットワーク化における放送と有線・無線のネットワークの相互接続性・相互運用性確立の重要なマイルストーンであると考えた。そして、NHK問題はもちろん、放送産業が技術革新にどう対応して変わっていくべきかが主要なテーマであると位置付け、私なりの構想を持って議論に臨んだ。 始まってすぐわかったのは、この懇談会が、非公開で行われた懇談会の議論そのものと、竹中大臣と懇談会座長の松原聡・東洋大学教授が行う記者会見の発表内容と、それをマスコミが解釈して報道する内容の間に、常に差異が存在する「3層構造」を持っているということである。第一層の懇談会の中での議論は、当然、最も大きな振幅をもって意見が戦わされ、しばしば構成員の間で鋭い対立が起こった。第二層の記者会見では、議論のなかでほぼ合意の得られた内容が淡々と報告された。それが、報道された第三層では、その内容にまた大きな振幅が見られたのだ。 懇談会が非公開であることが問題になっていたが、構成員による専門的な議論の対立の構図は開示されないまでも、ほぼ合意が得られた内容については、松原座長の能力がフルに発揮されて丁寧に分かりやすい表現で公表された。質疑応答も十分な誠意を持って行われたと思う。 この懇談会の議論の出口は政府の「骨太の方針」であるが、それが明確であるだけに、利害関係を持つ組織や個人からの発言は、懇談会が行ったヒアリング以外にも、公式・非公式に極めて活発だった。成果を最大にするための立ち位置を探った後半の懇談会の議論がそれらに影響されなかったとは言えない。ただ一方で、中立的な専門家・有識者からの発言が少なかったのは意外であった。