■Infomation
機関投資家や個人投資家から集めた資金を業績が低迷している事業会社や金融機関に投資し、経営に影響を及ぼして業績を回復させ、企業価値を高めた後に売却することで利回りを得るファンド。 MBOファンド、買収ファンド、プライベート・エクイティ・ファンド、企業再生ファンド、ターンアラウンド・ファンドなどの総称。 事業の意義 事業の意義(事業譲渡の意義)については、争いがある。 会社法制定前の判例は、株の「営業の譲渡」(=営業そのものの全部または重要な一部を譲渡すること)について、「一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産(得意先関係等の経済的価値のある事実関係を含む。)の全部または重要な一部を譲渡し、これによって、譲渡会社がその財産によって営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に同法25条(現在の商法16条)に定める競業避止義務を負う結果を伴うものをいうもの」と定義していた。 会社法の事業譲渡においても、この定義が(必要な修正を受けた上で)なお受け継がれていると解されている。単なる物質的な財産(商品、工場など)だけではなく、のれん(ブランド)や取引先などを含む、ある事業に必要な有形的・無形的な財産を一体とした上での譲渡を指す。 事業譲渡等 下記に掲げる行為をいう(468条、467条)。 事業の全部の譲渡 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡によりIPOり渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 他の会社(外国会社その他の法人を含む。)の事業の全部の譲受け 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約 事業譲渡等の手続 事業譲渡会社において、事業の全部の譲渡や重要な一部の譲渡をするには、株主総会の特別決議が必要である(467条1項1号・2号、309条2項11号)。 事業譲受会社において、事業の全部の譲受をするには、株主総会の特別決議が必要である(467条1項3号、309条2項11号)。 なお、会社の規模に比べて小規模な事業譲渡は、株主総会決議を省略できる(簡易事業譲渡、468条) 株主総会決議の後、反対株主は、譲渡と同時に解散する場合を除いて株式買取請求権の行使が認められる(469条)。 株式の価格の決定等(470条) 2001年4月1日に当時の外貨預金にて発効し、導入された。導入以前からあった営業譲渡(会社法に移行後は事業譲渡)と比較して、会社分割はその手法が明確になされているために、用途自体は限定的である一方で分社化に際しての透明性が高いうえに手続きが簡素である。それゆえ、会社分割制度導入以後の分社化では、会社分割が用いられるケースが多い。 会社分割は、企業の不採算部門の切り離しや、異なる企業の同一部門をお互いに分離・統合しスケールメリットを求める場合、あるいは持株会社化などに行われ、法人の事業部門の全部又は一部を、既存法人や新設法人に移転することとなる。全部を移転すれば、経済実態上は「合併」と同様の効果が得られる。 例えば、製造販売を行うA社とB社が、それぞれの販売部門を切り離して「共通の販売会社」を設立し、自らは製造業に為替するといった、経営の自由度が高まることになる。 また、中小企業における事業承継において、例えば、長男と次男に分割により切り離された事業を、それぞれ承継させるといったことも可能になる。 商法・会社法上の取扱い 物的分割と人的分割 分割は、商法上、人的分割と物的分割とに区分される。前者は、出し手側の法人(分割法人)の株主が、移転する資産等の対価として、受け手側(分割承継法人)から株式や金銭などの交付を受けるのに対して、後者では分割法人自らが、対価の交付を受けるという違いがある。また、両者の折衷法として中間型分割と呼ばれる手法もある。 なお、2006年5月1日施行の会社法では、物的分割のみを規定しており、人的分割は「物的分割+剰余金の配当(配当財産が株式)」という方法によることになる(763条12号)。 新設分割と吸収分割 会社法上、新設分割と吸収分割とにも区分される。 吸収分割:分割した事業を既存の別会社に承継させる(2条29号)。 吸収分割契約契約の備置き及び閲覧(782条) 吸収分割株式会社の債権者の異議(789条) 吸収分割契約の取決めにより、吸収分割後に吸収分割株式会社に対して債務の履行を請求することができない吸収分割株式会社の債権者は、吸収分割株式会社に対し、異議を述べることができる。 吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等(791条) 吸収分割に関する書面等の備置き及び閲覧等(794条) 吸収分割承継株式会社の株主及び債権者は、請求することが出来る。 吸収分割承継株式会社の債権者の異議(799条1項2号) 新設分割:分割した事業を新設の会社として承継させる(2条30号)。 新設分割株式会社の債権者の異議(810条) 税務上は、人的分割を分割型分割、物的分割を分社型分割と呼ぶ。両者の大きな相違点は、前者においては分割の時点で分割承継法人に移転する利益積立金額の確定を要するため分割法人の事業年度が分断されるが、後者の場合は分割法人の事業年度は継続する。分割型分割は合併と、分社型分割は現物出資と類似している。 非適格分割と適格分割 分割には、資産負債の移転が伴うが、法人税法は、原則的に、これを時価により移転するものと考えて取扱う。これは、一般的には非適格分割とよばれる。非適格分割により含み益のある資産(例えば、土地や有価証券)が移転する場合には、まず、分割法人において資産の譲渡益課税が生じ、また、分割法人の株主についてもみなし配当課税や譲渡益課税が生じうる。 一方、移転前後で経済的な実体が変わらないような一定の基準を満たす分割は、例外的に適格分割と呼ばれ、移転資産の簿価による引継ぎを行うことにより課税関係が生じない仕組みが採られている。 なお、適格分割型分割のうち、分割承継法人に資産負債を移転後直ちに分割法人が解散するスキームは適格合併に似ており、これを特に合併類似適格分割型分割とよぶ。 事例 みずほ銀行・みずほコーポレート銀行 会社分割制度導入の背景には、財界の強い要望があった。これは、当時の第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行をみずほ銀行・みずほコーポレート銀行に再編するにあたり、その規模および社会的影響から、事業譲渡よりも会社分割を行うほうが望ましいと判断されたことによる。加えて、法律上、普通銀行である第一勧銀・富士銀行と長期信用銀行である興銀との間では、合併は可能だが会社分割や事業譲渡は不可であった(普通銀行どうし、長期信用銀行どうしで会社分割や事業譲渡をすることは可能)ため、2002年4月1日に以下のスキームで再編がなされている。 第一勧銀のコーポレートバンキング業務を富士銀行に、富士銀行のコンシューマーバンキング業務を第一勧銀に承継する吸収分割を行い、第一勧銀は「みずほ銀行」、富士銀行は「みずほコーポレート銀行」に商号変更した。また、再編に先立ち、2002年1月8日付で「みずほ統合準備銀行」という長期信用銀行を設立、免許を取得して再編に備えた。そして、興銀は、コンシューマーバンキング業務をみずほ統合準備銀行(同日みずほ銀行に吸収合併)に吸収分割したうえで、みずほコーポレート銀行に吸収合併された。